診療のご案内
整形外科などを受診した場合に「年のせいだ」と言われている病気です。
気になっている方は、一度ご相談ください。
中高年者に多く、男性よりも女性に、そして年を経るとともにこの病気になる率が増えます。毎年、だいたい90万人くらいの方が、この病気になっているようです。
原因としては、遺伝的な要因もあるようですが、解明すべき点も多い病気です。肥満は、発病の危険因子とされております。
症状は、運動時に関節が痛むことや関節の変形などです。関節リウマチが、指の第一関節(遠位指節間関節)は、比較的冒されにくい場所であるのに対し、この変形性関節症は、第一関節が骨張ってきます(ヘバーデン結節と言います)、なかには、第二関節(近位指節間関節)が骨張ってくる(ブシャール結節と言います)こともあります。
指以外には、膝など負担のかかりやすい関節が冒されます。また、関節への負担が多いと関節炎をおこして水がたまることもあります。なお、検査をしても、関節リウマチとは違い、炎症を表すCRPや血沈の上昇など検査上の異常がないのが普通です。
治療は、温水中での運動、運動する際の固定、鎮痛薬内服、ステロイド関節内注射、 場合により手術です。治療について詳しくは次に述べます。
減量や杖の使用などで関節への負担を軽減すること、 痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)、ヒアルロン酸製剤関節内注射、 ひどい場合には手術などがあります。補助的には、筋力アップや装具使用を行います。これらに加えて、当クリニックではキセノン光による温熱療法にも取り組んでおります。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が持つ出血や腎障害などの副作用は、NSAIDs同士の併用により高まる可能性があると言われております。
脳梗塞再発予防などでバイアスピリンを内服されている方がおられますが、痛みどめとしてのNSAIDsを処方させていただくときに「併用は問題ないですか?」と尋ねられることがございます。
いつもするお答えとしては、アスピリンとほかのNSAIDsとの併用では臨床的に問題となる組み合わせはほとんどありませんが、イブプロフェンはアスピリンの抗血小板作用を阻害するという報告がある(Catella-Lawson. F. et al. N Engl J Med 345:1809-1817,2001)ので避けてますということです。
なお、追加情報としては以前、言われていたNSAIDsと一般的なキノロン系抗性物質との併用によるけいれんの発現については、現在では問題となるものはほとんどないということです。
有効性が認められている治療で、1週間ごとに関節内へ5回注射します。
その後、有効であった場合には、2~4週間隔で注射したりします。
しかし、関節内は無菌状態であるため、この関節注射が原因で、だいたい2万回に1回くらいの割合で、細菌感染を引きおこして(感染性関節炎)しまうことがあります。
関節注射をしてから、数ヶ月して感染を起こした事例もあります。
よく相談のうえ、注射をするかしないかをお決めください。