診療のご案内
ある日突然足の親指のつけ根が激痛に見舞われます。痛風とは、「痛い病気」という意味でまさしく風が当たっただけでも痛いです。
健康診断で尿酸値が高いとわかっていても放っていませんか?尿酸値が7以上の方は要注意です。
よく似た症状の「偽痛風」とともに、当クリニックのリウマチ内科で診ております。
圧倒的に男性に多い病気とされていますが、実は、意外にも女性に痛風はあるのです。とくに閉経後に増え るとされています。なお、閉経前に発症した方の場合には、家族歴があることが多いです。
通常、痛風は一 つの関節に炎症を起こす(単関節炎)ことが多いのですが、女性では、初めての発作のときから多くの関節 に炎症を起こす(多関節炎)ことが少なくないことがあります。関節液で、白血球に食べられた尿酸の結晶 を証明できれば確定診断できます。
痛風 治療は、高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインを目安として治療します。何事も、食生活の管理が大切です。痛風発作時には、安易に尿酸値を下げると悪化することもあり、このと きは、鎮痛薬のみで治療し、発作が収まったときに尿酸を下げる薬、発症を予防するコルヒチンRという薬 を使います。
高尿酸血症の適切な治療を受けていないと、尿酸値が高いまま長期間放置されると、多くの関節に尿酸が蓄積し、持続的な多関節炎をきたすようになります。
これを慢性結節性痛風と呼びます。 今ではだいたいの方が治療を受けられるので、全体の10%にも及ばないくらいの頻度でしかありません。こうならない為にも、しっかりと治療を受けましょう
痛風のようなものとして、偽痛風(ぎつうふう)という病気もあります。
痛風が尿酸の結晶が蓄積するのに対 し、偽痛風は、ピロリン酸カルシウムというものが蓄積します。
数個の関節が冒される場合ありますが、たいていは一つの関節が急に腫れて痛みます(単関節炎)。関節炎のみならず、全身倦怠感や発熱をみることが あります。これらが数日から2週間程度続いて治まり、次の発作まで症状がないことが特徴です。
発作時は、非ステロイド性抗炎症薬と局所安静を行います。感染症が完全にないと評価された場合に、ステロイドを関節内に投与することは効果的です。
しかし、濁ったステロイド薬(ステロイド懸濁液)は、むしろ、痛風 や偽痛風などの結晶による関節炎の原因ともなり得るため、水溶性の ステロイドを使用する方が望ましいです。関節破壊が高度の場合、人工関節置換を行うこともあります。