診療のご案内
脂質異常症(高脂血症)をほうっておくと、血管の動脈硬化が少しずつ進んでいき、やがて心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気を引き起こしかねない、恐ろしい病気です。
コレステロールが高い、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い、HDLコレステロール(善玉コレステロール )が低い、中性脂肪が高い状態を脂質異常症と言います。脂質異常症があると脳梗塞や心筋梗塞になりやすく治療すれば発生率が下がるということは周知の事実です。
血管は内、中、外と3層構造になっておりますが、この内膜と中膜の間にプラークというものが作られ血管の内腔が狭まる結果、脳梗塞や心筋梗塞が発生いたします。このプラークは大部分が脂質ですが、炎症を起こす細胞や線維化をさせる細胞なども含まれております。
脂質が多ければ多いほどプラークも大きくなりますが、このプラークがもろいという質的な問題があると、急に出血し血栓ができるためプラークはどんどん大きくなり血管の内腔をふさぐ結果、心筋梗塞や脳梗塞になってしまいます。
脂質異常症(高脂血症)をしっかりと治療するということは、プラークの成分である脂質を減らしプラーク内で起こっている炎症を抑え、プラークの質を整え安定化させ脳梗塞や心筋梗塞による死亡率を下げるということです。
脂質異常症がある方の約80%は、いずれ高血圧症を合併してきますし、その逆もあり得ます。
LDLコレステロールが140以上、HDLコレステロールが40以下であれば心筋梗塞や脳梗塞による死亡率がより高まります。
以前に狭心症や心筋梗塞になったことがある方であれば、より厳密な管理が必要とされております。
まだ日本人における確かな基準というものはないのですが、目安としてはLDLコレステロールは80台にしておく方が良いかもしれません。また、以前に脳梗塞などを起こしたことのある方であればLDLコレステロール÷HDLコレステロールを計算していただき2を超えないことが大切です。高血圧症を合併しておられる方であれば、高血圧の管理も大切です。
健診で異常を指摘された、今の治療で大丈夫かなど気軽にご相談ください。