診療のご案内
B型肝炎ウイルスに感染することでおこる感染症のことです。
ウイルスによる肝炎(ウイルス性 肝炎)には、A型からE型まで5種類あり、B型肝炎ウイルスはこの中のひとつです。
B型肝炎ウイルスは、「ジェノタイプ」と呼ばれる遺伝子の型によってAからHと8種類に分類されます。
B型肝炎ウイルスに感染すると肝硬変から肝癌になる可能性が高まります。
ときに肝硬変を経ず肝癌になることもあります。
B型肝炎は、他の肝炎ウイルスに比べて急激に肝機能障害が進み致命的になる場合もあり問題視されております。
感染経路は、その大半は母子感染です。
他には、性交渉、不衛生な環境でのピアスや覚せい剤注射器の回しうち、不衛生な針による入れ墨などがあります。
日本では「ジェノタイプB」「ジェノタイプC」の2種類がほとんどを占めておりましたが、最近 は「ジェノタイプA」というヨーロッパ型のものが都市部を中心に認められるようになってきました。
この「ジェノタイプA」の感染経路は性交渉であるので、性交渉前年齢におけるB型肝炎ワクチン接種が予防として大切となります。
しかしながら、麻疹、風疹やインフルエンザなどのワクチン接種は行ってもB型肝炎ワクチンを性交渉前年齢において接種している方は日本においてはまだまだ少数であるという現実があります。
このため、B型肝炎ワクチン接種も積極的に取り組んでいく必要性があります。
35歳を境にして、治療方法が異なります。
経過観察か入院によるインターフェロンという注射による治療を行い免疫力を増強しB型感染ウイルスの活動を抑えこみます。
内服による核酸アナログ治療でウイルスの増殖を抑えます。インターフェロンも使用することがあります。この場合、長期にわたり内服する必要性があります。
肝炎ウイルスで肝臓に負担がかかっている訳ですので、肝臓を痛めつけることは極力避けなけれ ばなりません。
アルコールや肥満は肝臓へのダメージが大きいため、禁酒と体重管理が重要です。
激しい運動は、肝臓への負担になりますので運動をする場合にはウォーキングなどほどほどなものにすることも大切です。
乳児期にB型肝炎に感染した場合、症状のない無症候性キャリアという状態になっていることがほとんどです。
この場合、関節リウマチの治療を不用意に開始すると肝機能障害が急速に進み致命的になることがあります。
当院では、まず肝炎感染がないかを関節リウマチを含む自己免疫疾患の治療以前に必ずチェックをしておりますのでご安心ください。
B型肝炎感染が判明した場合でも、関節リウマチの病状により治療を行うことがありますが、この場合に、肝臓専門医と共同で治療にあたることが大切ですので、肝臓専門医へのご紹介もしております。
血液検査、腹部エコー検査は当院で可能ですので、ご相談ください。