診療のご案内
6つのチェクリストのうち1の項目が該当し、
その他の項目に1つでも該当すれば専門医の受診が必要です。
睡眠関連呼吸障害に含まれる病気です。
眠りだすと呼吸が止まってしまい、血液の中の酸素濃度が低下し目が覚め再び呼吸し始めます。そして、また眠り出すと呼吸が止まってしまいます。
これを一晩の睡眠中に何度も繰り返すため、深い睡眠が取れず、日中に強い眠気やだるさが引き起こされます。
無呼吸で酸素濃度が低下するため、これを補おうと心臓の働きが強まり、血圧が高くなり(高血圧症)、酸素濃度が低下することによる動脈硬化も進み、結果として心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなります。
また睡眠不足によるストレスのため血糖値やコレステロール値も高くなり、生活習慣病やメタボリックシンドロームが引き起こされます。
肥満、男性、顎の大きさ、鼻腔の狭さなどが危険英語で【Sleep Apnea Syndrome】と⾔い、略して【SAS(サス)】とされることもあります。
睡眠時無性、顎の大きさ、鼻腔の狭さなどが危険睡眠時無呼吸症候群の患者数は重症者だけでも国内に300万~400万人いると言われていますが、そのうち適切な治療を受けている方は40~50万人ほどに留まり、多くの方が見過ごしているという状態となっています。
いびきは、睡眠中に気道が狭くなってしまい、そこに空気が通る時に喉が振動する事で生じる音です。
つまり、気道が狭くなることでいびきをかくと言うことになります。
健康な⼈でも、仰向けで寝ると重⼒で舌根や軟⼝蓋が下がり、気道が狭くなります。また、眠っている状態の時は筋⾁も緩んでしまいます。
その他、下記のような理由で気道が狭くなったり塞がったりしてしまいます。
閉塞型SASは、無呼吸状態の時はいびきが⽌まり、その後あえぐような激しい呼吸や⼤きないびきで呼吸が再開するのが特徴です。
あえぐような呼吸をすることにより、寝相が悪かったり寝汗をかいたりします。また、夜中に何度もトイレに起きるといったこともあります。
無呼吸の間は、酸⽋を起こしているような状態になります。そのため朝起きると頭が重いといったことも起こります。
休むために睡眠を取るのに、無酸素運動をしているような状況になってしまっているため、全⾝の倦怠感や不眠に繋がることもあります。
閉塞型SASは、無呼吸から呼吸を再開させる度に脳が覚醒状態になるため、睡眠が分断してしまいます。この脳の覚醒によって、本⼈には起きたという⾃覚はありません。
しかし、脳の覚醒により深い睡眠が得られなかったり、夢を見る眠りと⾔われるレム睡眠が細切れになったりします。
適切な睡眠時間を取っていたとしても、SASによって睡眠が分断されていると睡眠時間が不⾜しているのと同じ状態になります。
適切な治療をせずに放置した場合、下記のようなリスクがあります
SASの方における⾼⾎圧は健常な人の1.37倍(※1)、夜間突然死は健常な人の2.61倍(※2)、脳梗塞は健常な人の3.3倍⾼い(※3)と⾔われています。
SASでは、酸⽋状態になり少ない酸素を全身に運ぼうとして⼼臓や⾎管に負担がかかります。この状態が長期間続くと、様々な⽣活習慣病の合併症を引き起こす恐れがあります。
また、夜間の酸⽋状態が免疫⼒の低下を招き、その結果、重症SAS患者では健常な人の4倍も癌になりやすくなると⾔われています(※4)。
※1 Neito FJ.JAMA2000;283;1829-1836
※2 Gami AS.N Engl J Med 2005;352;1206-1214
※3 Yaggi HK et al,N Engl J Med 2005;353;2034
※4 Am J Respir Crit Care Med.2012 Jul15;186(2):190-4
⼀般の方を対象とした調査で、AHI5以上+⽇中の眠気があるという⽅の割合は、約200万⼈とも⾔われています。(男性3.3%、⼥性0.5%、全体で1.7%)
また、男性は40〜60歳代の肥満傾向がある方に多く、⼥性は閉経後に増加していきます。
肥満があるとSASを発症しやすく、重症化させます。
しかし、肥満がなくても他の条件が重なることによってSASが発症します。
⽇本⼈は肥満の程度が軽くても形態的問題からSASを発症しやすい⼈種と⾔われています。
⽇本の10施設において治療が必要とされる方を対象にBMIに関するアンケート調査を⾏ったところ、そのうちの30%はBMIが25未満で肥満を伴っていなかったとの報告があります。
⽇本⼈は肥満の程度が軽くても形態的問題からSASを発症しやすい⼈種と⾔われています。
呼吸や⾎中の酸素の状態などを測定し、睡眠呼吸障害の程度(AHI)を求めることが出来ます。AHIが40以上で眠気などSASの症状が明らかな場合は、CPAP療法の対象となります。AHIが40未満であれば、さらに精密検査(PSG検査)が必要です。
また、CPAP療法後の治療効果を判定する検査として行うこともできます。
体に様々なセンサーを取り付け、睡眠の質(眠りの深さや分断の状態)を評価をします。また、睡眠中に起こる異常⾏動や不整脈などの評価も⾏い、他の睡眠障害、合併症の有無について診断します。当クリニックにて睡眠簡易検査を⾏い、睡眠時無呼吸症候群が疑われ、PSG検査が必要と判断された場合は、ご自宅で行える在宅PSG検査を当クリニックより⼿配、実施いたします。
CPAP療法は、CPAP装置からホース・マスクを介して処⽅された空気圧を気道へ送り、常に圧⼒をかけて空気の通り道が塞がれないようにします。SASに対し、現在最も治療奏功率の⾼い治療法と⾔えます。
「よく寝た」という熟睡感が得られ、スッキリと⽬覚めることが出来ます。
CPAP療法を適切に⾏うことにより、睡眠中の無呼吸やいびきが減少します。
また、治療を継続することにより、眠気消失、夜間のトイレ回数減少など、いわゆるSAS症状の改善が期待され、さらには⾼⾎圧、⾼脂⾎症、糖尿病など⽣活習慣病改善効果の報告もあります。
CPAP療法は眼鏡をかけることと同じで、治療器を使⽤しない限り無呼吸は無くなりません。また、治療器の装着に慣れるのに2~3か月かかる場合もあります。
減減量により皮下脂肪が減ると、気道が拡張し、SASの改善が期待出来ます。
減量は根本的な治療になり得ますが、減量の成功までに時間がかかることが多いため、それまでの期間はCPAPなどの治療を⾏うべきです。
アルコールは、筋⾁をゆるめる作⽤があるため、気道の閉塞が起こりやすくなってしまいます。
寝付きが良くなることもありますが、逆に夜中に⽬が覚めたり、浅い睡眠を増やしてしまう作⽤もあるので、飲酒量は控えめにされることをお勧めします。