診療のご案内
咳やくしゃみなどのように瞬間的に腹圧がかかったときに、尿の漏れがあるものです。
すべての尿失禁のうち最も多いのが、この腹圧性尿失禁です。
女性が85%と多くを占めるため女性の腹圧性尿失禁とわざわざ性別を入れてご紹介しました。
どうして、このようなことが起こるのかというと、まずは分娩、手術、加齢、エストロゲンの低下などによりもともと腹圧がかかったときに尿が漏れないように支えている骨盤底の筋肉が弱くなってしまうからということともう一つは、尿道を閉じておく尿道括約筋の力が弱まってしまうからです。
治療の原則は、日常生活の相当な妨げとなり困っているかということを大切にします。
排尿日誌をつけていただき、実際を細かく把握していくこと。ありきたりですが、骨盤底筋体操といわれる膣、肛門を閉める動作を繰り返し行うこと。
薬物療法として、交感神経β刺激薬であるクレンブテロールが有効です。
この薬剤は交感神経を興奮させますので、高血圧、心臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病のある人には慎重に使用する必要があります。
膀胱頸部が下垂してしまったなどの構造的な問題の場合は、手術を行います。