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2021.09.26
浦安・新浦安・行徳・葛西・船橋のリウマチ科
全身性エリテマトーデス|プラケニル®️(ヒドロキシクロロキン)について
欧州リウマチ学会で、全身性エリテマトーデスにプラケニル®️(ヒドロキシクロロキン)を服用すべきということが提唱されてから2年を経ました。
ヒドロキシクロロキンは、もともとマラリアの治療薬です。全身性エリテマトーデスに、いったいどのようにして効くのか、実は明らかではありませんが免疫細胞間の伝達を阻害し活性化するのを抑えているのではという説があります。
ヒドロキシクロロキンは、1日あたり200〜400mgを服用しますが、200mgならば比較的副作用がなく安心です。
効果は、内服開始後2ヶ月すれば出始めますが、半年以上してから効果が出てくることもあります。
心配なのは副作用ですが、ヒドロキシクロロキンは副作用が少ないのが売りで重大な副作用も少ないです。
注意すべき副作用は、吐き気と下痢ですが内服しているうちに改善してきたり、食事中に服用すると改善することもあります。
他に筋力低下、皮疹、皮膚色素沈着、毛髪の色調変化、毛髪が細くなること、貧血があります。
そして、忘れてはならない副作用が目(網膜)の障害で、長い間、多い量を服用された方、60才以上の方、そして腎機能障害がある方におこりやすいことがわかっております。
200mgくらいならば、目に関しての副作用の発現も問題ないので、ご安心ください。
眼は、内科医、とくにリウマチ膠原病内科医からしたら病気を知るための大切な窓です。その窓を通して奥を覗くだけで、とても多くのことを教えてもらえます。だから、私は眼科との関係をとても大切にしております。早期の視力障害ならば、薬剤中止で改善します。
全身性エリテマトーデスは、若い女性に多いので妊娠について気になるところだと思いますが、ヒドロキシクロロキンは妊娠中でも安全に使える薬です。
参考文献 Fanouriakis A, et al. Ann Rheum Dis 2019;78:736–745
文責 浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉