ブログ
2021.12.04
泌尿器科
尿路感染症・膀胱炎|泌尿器科|浦安せきぐちクリニック
膀胱炎は男女の差が激しく、女性が圧倒的に多いです。
理由は、尿道が短い、女性の方が膀胱炎の原因になる菌を尿道口付近に常在化しているからです。
膀胱炎は、おおまかに、単純性と複雑性の2つに分類され、
単純性:特に尿の流出障害がなく起こるもの
複雑性:尿の流出障害があるもの
という具合です。
男性の尿路感染症は、尿道口から膀胱までの尿道が長いため、通常は膀胱炎を起こしにくいのですが、男性が起こした場合には、ほぼ複雑性と考えるとされています。
女性の場合でも、尿路に閉塞や奇形があり、尿の流出障害があった場合には複雑性というふうに分類します。
膀胱炎を何度も繰り返す場合は、まず複雑性を考えますが、単純性の膀胱炎を繰り返す方もおられるので注意が必要です。
症状ですが、
単純性膀胱炎の場合は、尿を排出しても、すぐ行きたくなる頻尿、尿を排出するときに不快感があったり、痛みがあったり、尿道に焼けるような感覚があったりする排尿困難と、その他に、膀胱のあるところが恥骨の裏側であるため、恥骨あたりに痛みがあることが多いです。
診断と治療についてですが、主に若い女性か、高齢の女性かで分けると簡単です。
膀胱炎の頻度が高いのは、若い女性ですので、特に性的活動性のある状況での膀胱炎が多くなります。
膀胱炎は、膀胱内へ尿道口から細菌が逆流して入ってくることで起こります。
性交渉を行ったあとに、外尿道口から膀胱のほうに菌が逆流しやすい状況が起こっているので、若い女性が多いとされる理由です。
単純性の膀胱炎の場合には、起炎菌として最も多いのが大腸菌です。
大腸菌が、原因の75~95%を占めるとされております。大腸菌が原因として多いのは、若い方でも高齢の方でも同じですが、若い方の場合は、スタフィロコッカス・サプロフィティカス(腐生ブドウ球菌)が一定の割合で含まれます。
必要な検査は、尿一般検査と尿沈渣、そして微生物学的検査を行います。
薬剤耐性菌が問題になって久しいため、抗菌薬開始前に、微生物学的検査をし、薬剤感受性検査を確認することが重要です。
単純性膀胱炎の治療薬は、当院では使い慣れているST合剤(バクタ配合錠®︎)をお勧めしております。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉