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2021.10.13
リウマチ内科
JAK阻害薬ゼルヤンツ®︎(トファシチニブ)リウマチ内科
厚生労働省医薬・生活衛生局は2021年10月12日、JAK阻害薬トファチニブクエン酸塩(一般名、製品名:ゼルヤンツ錠®︎)について、添付文書の「重大な副作用」の項に「心血管系事象(MACE)」と「悪性腫瘍」を追記することなどを指示しました。ゼルヤンツ®︎は、生物学的製剤と異なる機序の経口薬で、標的分子に対する特異性が高い低分子化合物で、分子標的合成抗リウマチ薬(tsDMARDs)とされております。その標的がチロシンキナーゼ(JAK)であるのでJAK阻害薬と言われております。JAK阻害薬の先駆けたるゼルヤンツ®︎の使用経験から、悪性腫瘍は、どうも最初に悪性腫瘍がないかどうかを、よく調べていない方からの発症のようです。我ながら、この説明では嫌気が指して来ますね。つまり、とても良く効く関節リウマチの内服薬なのですが、心臓に注意が必要な方への処方は、細心の注意を払いなさいということです。他の注意点は、帯状疱疹の副作用と、値段が高いということです。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉