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2021.12.14
内科
アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)|内科|浦安せきぐちクリニック
だんだんと寒さも増し、ぜいぜいとされる方も多いと思います。のどが痛い、頭が痛いと安易にドラックストアで解熱鎮痛薬を購入されて服用される方が多いと思いますが、少し落とし穴がありますのでお話しします。だいたい効果があると思い服用されるのは、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs:NSAIDs)で、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤です。しかし、これが原因となり気管支喘息の発作を起こす方もおられますので注意が必要です。アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)と言われている病態で、この薬剤の作用機序に問題があります。機序については、ややこしいので割愛します。では、どんな感じになるかというと、非ステロイド性抗炎症薬を使用後、通常1時間以内に、鼻閉、鼻汁に続き、咳、息苦しさ、時に嘔気や腹痛、下痢などの腹部症状が出現します。非ステロイド性抗炎症薬は、たいへん重宝で、薬剤には、内服薬のほかに、注射薬、坐薬、貼付薬、塗布薬、点眼薬と、まさに様々な形態がございます。体に直接的に入るもの以外ならば、つまり外用薬ならば問題ないかと思われるかもしれませんが、貼付薬や塗布薬でも起こり得ます。注射薬・坐薬>内服薬>貼付薬・塗布薬・点眼薬(外用薬)の順で、症状が早く、強くおきます。症状が起こった場合は、緊急処置が、必要になることがありますので医療機関に速やかに連絡を入れることが大切です。場合により、救急車を呼ぶことも躊躇してはなりません。では、痛みがある時は何を使用すれば良いのかということなると思いますが、名前の羅列ですが、塩基性非ステロイド性抗炎症薬のチアラミド(ソランタール®︎)、1回300mg以下のアセトアミノフェン、COXー2選択的阻害薬などがあります。今まで、大丈夫だった方に、急に起こり得る病態ですので、知っておくと良いと思います。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉


