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2022.01.02
リウマチ内科
アクテムラ®︎(トシリズマブ)を新型コロナウイルス感染に伴う肺炎治療薬として承認申請(1)
アクテムラ®︎(トシリズマブ)を新型コロナウイルス感染に伴う肺炎治療薬として承認申請という報告をいただきました。内容は、2021年12月13日、中外製薬が開発した関節リウマチ治療薬アクテムラ®︎を、新型コロナウイルスの感染に伴う肺炎の治療薬として使用できるよう厚生労働省に承認申請したということです。メイドインジャパンのアクテムラ®︎は、ヒト化抗ヒトインターロイキン-6レセプターモノクローナル抗体というものですが舌を噛んでしまいますので、聞き流していただき、現在は関節リウマチ、キャッスルマン病、若年性特発性関節炎、成人スチル病、高安動脈炎・巨細胞性動脈炎に適応があります。いずれも炎症性サイトカインIL-6を抑えることで効果が発揮されます。2020年に、開発の立役者である大阪大学免疫学フロンティア研究センター免疫機能統御学の岸本忠三特任教授らの研究グループが、新型コロナウイルスの感染で、早期に炎症性サイトカインIL-6が血中に増加し、このIL-6が血管から血液凝固を促進する分子 (Plasminogen Activator Inhibitor-1:PAI-1)を放出させることを発見しております。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉
参考文献: