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2022.01.05
リウマチ内科
関節リウマチ治療薬スマイラフ®︎(ペフィシチニブ)は日本で創製されたJAK阻害剤
関節リウマチ治療薬スマイラフ®︎(ペフィシチニブ)は日本で創製されたJAK阻害剤で、2019年3月に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能又は効果として承認されました。通常、成人にはペフィシチニブとして150mgを 1 日 1 回食後に服用しますが、状態に 応じて100mgを 1 日 1 回へ減量して服用できます。中等度の肝機能障害を有する場合には、有効性・安全性を十分かつ慎重に検討した上で50mg 1 日 1 回服用とすることになります。免疫反応に関与するJAKファミリー(JAK 1 /JAK 2 /JAK 3 /TYK 2 )を阻害するの で、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼすおそれがあるため、感染症の発現に細心の注意を払う必要性があります。このように書くと、とても怖い薬ではないかと考えられる方もいらっしゃると思いますが、そもそも関節リウマチ治療薬は、すべて感染症を含めて副作用については既定路線で、あるものとして考えながら治療をするものですので、急に怖い薬が出てきたという考えは誤った考えだと思います。なぜなら既存の古典的な関節リウマチ治療薬は、どうして関節リウマチに効くのかがわかっていないものも多く、関節リウマチの治療薬として第一選択薬とされるメトトレキサートは、細胞の中に入り込みさまざまな副作用を起こします。この方が、よほど怖い薬ではないかと考えます。JAK阻害薬は、JAKという抑える対象がしっかりとわかっている内服薬で、効果がどうして出るのかという機序がはっきりしております。ただ、比較的新しい薬のため使用経験不足で、怖いと思えるのです。リウマチ専門医のもとで、しっかりと対応していれば素晴らしい効果的な薬の一つであります。ただ、値段が高いのが問題です。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉
参照:https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/doc/Pdfs/DocNo202110338_y.pdf