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2014.12.01
内科
便秘
●便秘とは?
便秘を正確に定義することは困難です。強いて言えば、「便の回数が週に3回以内と少なく、便をだすのも やっとで、その上、便をしてもした気がしない状態のこと」ということになります。
便秘を分類すると主に2種類となります。
例えば大腸ガンなどで腸が狭窄もしくは閉塞する結果おこる器質的便秘、もう一つは腸の動きがおかしくな る機能性便秘です。この機能性便秘は、さらに結腸が動かなくなる弛緩性便秘、結腸(とくにS状結腸)が 動こうとしすぎてかえって痙攣してしまうためにおこる痙攣性便秘、その名のとおり直腸からの便の出が悪 くなってしまう直腸性便秘にわけられます。いわゆる「慢性の便秘症」の方は、弛緩性便秘に分類されま す。器質的便秘については原因の治療をしないと良くならないため割愛します。
●機能性便秘の主な原因
-弛緩性便秘
便が大腸に長くとどまるためどんどんと水分が吸収され(結腸は水分を吸収する場所)硬い便となり栓のよ うになり余計でなくなるものですが、でた場合には便が太いのが特徴です。主な原因としては、加齢、運動 丌足、ねたきり、中枢神経疾患、便を習慣的に我慢すること、長期に下剤を飲んだため結腸の粘膜が鈍く なっておこるもの(下剤は、漫然と飲み続けてはいけません)、薬剤、ほかに、旅行などの環境の変化、高 カルシウム血症、甲状腺機能低下症、糖尿病、腹腔内の炎症・尿路結石・胆石症・急性虫垂炎などによる強 い痛みでも反射的に腸管が麻痺しておこります。
-痙攣性便秘
副交感神経の刺激状態のため、腸管の運動が強くなり腸管自体の収縮がむしろ強まるため便秘となるもので す。便は、兎の糞みたいにころころしたものとなり、便をしてもすっきりせず、腹痛、おなかのはりなどを 感じます。代表的な原因は、過敏性腸症候群です。
-直腸性便秘
主な原因は、加齢、便意の無視・がまんです。
●治療
-弛緩性便秘
結腸の動きを良くする2種類の下剤を使います。
-痙攣性便秘
便を柔らかくする下剤と、興奮しすぎた結腸の運動を調整する薬剤で治療します。
-直腸性便秘
排便習慣が大切のため便意はがまんしないことが鉄則ですが、必要に応じて浣腸や坐薬を使用します。