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2014.09.27

内科

ヘルパンギーナ|のどが痛い

のどが痛い方が増えています。もう10月なのにヘルパンギーナと診断せざるを得ませんでした。ヘルパンギーナとは、以下を参考にしてください。

ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性発疹を特徴とし、夏期に流行する小児の急性ウイルス性咽頭炎であり、いわゆる夏かぜの代表的疾患である。
その大多数はエンテロウイルス属、流行性のものは特にA群コクサッキーウイルスの感染によるものである。

●疫学
疫学パターンはエンテロウイルス属の特徴に沿う。
すなわち熱帯では通年性にみられるが、温
帯では夏と秋に流行がみられる。
我が国では毎年5 月頃より増加し始め、6~7月にかけてピーク を形成し、8月に減少、9~10月にかけてほとんど見られなくなる。
国内での流行は例年西から東へと推移する。
その流行規模はほぼ毎年同様の傾向があるが、1999~2001年の3年間はそのピ ーク時において、定点当たり報告数が例年に比べて高い状況であった。患者の年齢は4歳以下 がほとんどであり、1歳代がもっとも多く、ついで2、3、4、0歳代の順となる。

●病原体
エンテロウイルスとは、ピコルナウイルス科に属する多数のRNA ウイルスの総称であり、ポリオウイルス、A群コクサッキーウイルス(CA)、B群コクサッキーウイルス(CB)、エコーウイルス、エンテロウイルス(68~71 型)など多くを含む。
ヘルパンギーナに関してはCA が主な病因であり、2、3、4、5、6、10型などの血清型が分離される。
なかでもCA4がもっとも多く、CA10、CA6 などが続く。
またCB 、エコーウイルスなどが関係することもある。
エンテロウイルス属の宿主はヒトだけであり、感染経路は接触感染を含む糞口感染と飛沫感染 であり、急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強いが、エンテロウイルス感染としての性格上、回復後にも2 ~4週間の長期にわたり便からウイルスが検出される。

●臨床症状
2~4日の潜伏期を経過し、突然の発熱に続いて咽頭粘膜の発赤が顕著となり、口腔内、主として軟口蓋から口蓋弓にかけての部位に直径1~2mm、場合により大きいものでは5mmほどの紅暈で囲まれた小水疱が出現する。
小水疱はやがて破れ、浅い潰瘍を形成し、疼痛を伴う。
発熱については2 ~4 日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失する。
発熱時に熱性けいれんを伴うことや、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈することがあるが、ほとんどは予後良好である。
エンテロウイルス感染は多彩な病状を示す疾患であり、ヘルパンギーナの場合にもまれには無 菌性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することがある。
前者の場合には発熱以外に頭痛、嘔吐などに注意すべきであるが、項部硬直は見られないことも多い。
後者に関しては、心不全徴候の出現に十分注意することが必要である。
鑑別診断として、単純ヘルペスウイルス1型による歯肉口内炎(口腔病変は歯齦・舌に顕著)、手足口病(ヘルパンギーナの場合よりも口腔内前方に水疱疹が見られ、手や足にも水疱疹がある)、アフタ性口内炎(発熱を伴わず、口腔内所見は舌および頬部粘膜に多い)などがあげられる。

●病原診断
確定診断には、患者の口腔内拭い液、特に水疱内容を含んだ材料、糞便、髄膜炎を合併した例では髄液などを検査材料としてウイルス分離を行うか、あるいはウイルス抗原を検出する。遺伝子診断(PCR 法や制限酵素切断法など)も可能である。確定診断にはウイルスを分離することが原則である。
血清学的診断は、急性期と回復期のペア血清を用い、中和反応(NT)、補体結合反応(CF)な どで4倍以上の抗体の有意な上昇を確認することで行われる。しかしながら、エンテロウイルスでのCF は交差反応が多いので、一般には行われない。また、実際には臨床症状による診断で十分なことがほとんどである。

●治療・予防
通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもある。
時には脱水に対する治療が必要なこともある。
無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要であるが、後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれる。
特異的な予防法はないが、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどである。

文責 浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉

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