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2014.08.21
関節リウマチ
メトトレキサート量について
以前のメトトレキサートは週8mgが上限でしたが、承認済医薬品の適応外処方について科学的根拠に基づいて医学薬学上公知であると認められる場合に臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく効能又は効果等の承認が可能となる制度(公知申請)により週16mgまで使用できるようになりました。
メトトレキサートは週7.5mgくらいならば服用した場合と皮下注射した場合を比べてみると同等に吸収されますが、週15mgを超えると服用した場合では皮下注射した場合に比較して約30%も効力が落ちてしまうということは知られておりました。
週16mgという量は、良いように解釈すれば効力が落ちる結果、毒性が緩和され日本において最大効果が発揮されるとも言えますが、無駄なことをしているとも言えます。
いつも外国のリウマチ専門医からは日本のメトトレキサート量は少ないと指摘を受けていたものだから、公知申請後、日本の各リウマチ専門医がこぞって幕末の尊王攘夷運動ではないけれども、「rapid escalation」「rapid escalation」と言いながら1ヶ月ごとに8mg、12mg、16mgと増量しだすようになりました。
しかし、良いことばかりではなく副作用も目立ち口内炎に始まり、胃がむかむかしたり、採血すれば肝機能障害と副作用が目につきメトトレキサートを減量し10mgくらいの量に落ち着くという結果になっております。
これは、メトトレキサートの承認用量が8mgになぜなったのかという議論に思い当たります。
最近、海外でもメトトレキサートは以前より少量でも良いのではないかという論文が発表されております。
コップに水を満たすのに、あふれさせる量をついでとりあえずあふれても満たさせるか、あふれさせないように少しずつ様子をみながら満たさせるか、この点、なんとなく外人と日本人の性格の違いのように見えて面白くなりました。
当院の平均メトトレキサート量は週9.8mgです。
安全性第一で、しっかり拝見させていただいております。