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2014.07.15
関節リウマチ
生物学的製剤雑談
B型肝炎の場合、関節リウマチに対して生物学的製剤は基本的には使用しない方がよい。
B型肝炎抗原陽性者は、原則、生物学的製剤は禁忌です。やむを得ない場合はありますが・・・。
C型肝炎に関しては、データがないため、適宜考慮すべき。
ニューモシスチス肺炎(PCP)、これは思い出深いです。
竹内教授に指示され東京医科歯科大学の針谷教授がまとめられたPAT研究会に参加させていただきPCPについて、いろいろな議論がなされていたのを思い出します。
発見にはβDグルカンが有用です。当院では、必ずステロイド、メトトレキサートや生物学的製剤を使用されている関節リウマチの方の血液検査でβDグルカンを測定しております。
妊娠中の生物学的製剤(TNF阻害薬)はカテゴリーBで、動物実験では胎児にリスクなし。ただし、有益性を考慮のうえとなります。インフリキシマブ(レミケード®)とアダリムマブ(ヒュミラ®)は、妊娠後期には胎盤を多量に通過し胎児が母体と同じ血中濃度で暴露されるし、メトトレキサートと併用でないと効果が不十分のため、やはり妊娠の場合は使用できないと考えます。
一方、エタネルセプト(エンブレル®)の胎盤通過量は、はるかに少なく、妊婦=エタネルセプト(エンブレル®)のように使用されている先生もいらっしゃいます。最近は、UCB(シェーン先生がご活躍)のセルトリズマブペゴル(シムジア®)が胎盤通過量が少ないため、妊婦=セルトリズマブペゴル(シムジア®)になりつつ(?)あります。
一般的に、TNF阻害薬は妊娠が確認されたら直ちに投与を中止することが第一です。
しかし、抗TNF阻害薬が全妊娠期間にわたり必要と考えられる場合には、考慮のうえインフォームドコンセントのもとに使用されることもあります。