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2014.07.09

関節リウマチ

関節リウマチ治療の光と陰-生物学的製剤と呼吸器疾患・診療の手引き

ご恩ある亀田秀人先生(東邦大学医療センター大橋病院 膠原病リウマチ科教授)がその委員の一人となり、関節リウマチにおける「生物学的製剤と呼吸器疾患・診療の手引き」が刊行されました。海外のエビデンスをそのまま日本にあてはめるという古くからの慣習がありますが、日本は日本ですので日本にあった診療のガイドラインということでとても期待されております。

関節リウマチの治療においては、生物学的製剤という画期的な治療法が開発され治験期間も含めればすでに18年目を迎えております。
インフリキシマブ(レミケード)の治験で、せっせと調剤し点滴し、その間に血圧を測ってと今ではなつかしく思いますが、もう約20年も前のことになってしまいました。
このように私は、生物学的製剤を日本で初めて関節リウマチに導入した施設でリウマチの診療に携わり、その治療の光と陰につき様々なことを経験してきました。

生物学的製剤が広まる以前は施設ごとで関節リウマチの治療の実力差があったのですが現在は生物学的製剤の種類も多くなり、施設間の実力差を埋める結果になっております。
言い換えれば、どこに行ってもリウマチ専門医にかかれば例えば私のようなリウマチ膠原病内科であっても整形外科であっても関節リウマチの勢い(関節痛・関節腫脹・CRP/血沈などの炎症)を止める事(光)はできるようになったということです。

当たり前のことではあるのですが、今回の発刊が良い例であるように、ただ関節リウマチの勢いを止めるだけが関節リウマチの診療ではないということです。
このことはリウマチ膠原病内科の診療をしている先生にはとてもよくお分かりと存じます。診療自体、とにかく丁寧だと思います。

私の診察の実際をご紹介しますと、まず診察室にお入りいただき、よく症状などにつきお話を伺い、血圧・脈拍測定、全身のリンパ節腫脹の有無、のど・歯の状態の確認、呼吸音、心音・心拍数を診て、そしてやっと全身の関節所見を拝見し、皮膚の状態を確認して血液検査を受けていただき場合により関節エコー、レントゲン/CT撮影をしていただき、それらの結果を総合評価して治療を決めて診察が終わるという具合です。

免疫という感染症から身を守るシステムが異常になっているのが膠原病ですから、その一つである関節リウマチも例外ではありません。
おのずと治療は、免疫を抑える、つまり感染に弱くなる治療を行います。
生物学的製剤も本来ならば、感染防御に働く物質を抑えるわけですので生物学的製剤を使用しない場合に比べ感染症をひきおこす(陰)確率は増します。
感染症で致命的な経過をたどる不幸な方のなかで少なからぬ割合を呼吸器合併症が占めているのは事実です。
間質性肺炎、ニューモシスチス肺炎、細菌性肺炎、肺結核など呼吸器合併症は管理すべきものです。

以前から、そうであるように関節リウマチ診療の実力差は、光と陰の管理バランスで決まると思います。

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