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2022.08.07
感染症
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナと手足口病は、どちらも乳幼児に多い夏季のウイルス感染症です。先日、手足口病について書いたので追加しました。そもそも当院でというよりも小児科で診察を受けるものですが、当院スタッフも含め、お子様もおられる方もおいでになっているので、話の種にと書いておこうと思います。
突然ですが、問題です! ヘルパンギーナと手足口病の大きな違いは何だと思いますか?原因ウイルスが何だとか、水疱の出る場所がどうかとか、医学的にあれこれと言うこともできますが、気楽に簡単に考えてみてください。
答えは、ヘルパンギーナの方が、つらいということです。手足口病も発熱しますが、先日、書いたように発熱せずに手足口に水疱が出ているだけという場合も多いです。しかし、このヘルパンギーナは、高熱、口の奥に水疱や潰瘍ができて、とにかく痛がりつらいです。ここからは、興味のある方だけ読んでください。30年くらい前になりますが、医学生時代に調べた話ですが、ヘルパンギーナの由来は、ドイツ語で、疱疹を表すヘルペスと、喉が赤く腫れて痛む急性扁桃炎を表すアンギーナを足したヘルプ+アンギーナ=ヘルパンギーナ(Herpangina)です。駄洒落ですが、ヘルプ(help)と言いたくなるほどつらいものです。ヘルパンギーナの主な原因は、コクサッキーウイルスA群 で、2、3、4、5、6、10型などの種類があります。またコクサッキーウイルスB群やエコーウイルスなどが原因となることもあります。これらは全てエンテロウイルス属で、ヒトだけに感染し主な感染経路は接触感染を含む糞口感染と飛沫感染 です。2〜4日ほど潜伏期があり、突然の高熱と喉が痛く赤くなります。ウイルスが最も排泄されるのは急性期で感染力が強いですが、エンテロウイルス属の特徴である、回復した後も2 ~4週間の長期にわたりだらだらと便からウイルスが出ております。このため、症状が良くなり登園してきたお友達が知らずのうちに感染源になり、幼稚園で大流行りします。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉


