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2022.11.23
新型コロナウイルス
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時検査キットが市販されそうです!
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時検査キットが市販されそうです。
11月22日、厚生労働省は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時検査キットを、インターネットや薬局で販売するか専門部会で諮り、早ければ12月初旬の解禁と発表しました。
それも、実際に我々が使っているものと同じものです。
私は、大学病院時代の医局が発熱外来担当科であったことも手伝って発熱外来の限界を知っており、当院へおいでになる方も免疫抑制剤を飲まれている方が多いため発熱外来はしておりません。かわりにオンライン診療をしております。
それでは、話の続きです。
通常発熱外来と言えば、発熱するありとあらゆる疾患を鑑別し治療しますが病院とは違い、設備のないクリニックにおける発熱外来は、コロナウイルスやインフルエンザウイルスの迅速検査をすることを専らとしている実情があります。
この実情を示す例は、発熱外来をしているクリニックにかかったが、新型コロナウイルスやインフルエンザの検査だけで、それぞれ陰性と言われ解熱剤処方、これで済めばよかったのですが熱が下がらないと当院のオンライン診療へ相談があり病院へ紹介したところ肺膿瘍と診断され救命されたということがありました。この方は咳があると訴えてみても胸部レントゲンは撮影されなかったということでした。
別の例は、微熱と軽い腹痛のため、発熱外来のあるクリニックを受診し、案の定、腹部の精査はされずコロナとインフルエンザだけ検査されて陰性ということで帰宅、症状が良くならずと相談され、病院を紹介したところ、果たして肝膿瘍によるもので救命できた例などがあります。仕方がないことですが病院の発熱外来とは雲泥の差があるのです。クリニックの場合、発熱外来でなくコロナ・インフルエンザ外来とでも呼称すべきと以前から提唱しております。
発熱外来は、とても難しいです。発熱する疾患は、日本にはないだろうという疾患を除いてもざっくり100以上あります。これを見極めるのは慣れていないと難しいです。
コロナ以前の話で、経験があると思いますが、その当時はインフルエンザにかかるとクリニックを受診し、鼻に棒を挿入され反応がでるまで待ち、陽性判定がでるとタミフルを処方しましょうと言われ診察は1分、待ち時間だけが無駄に長い簡単な何の変哲もない診療が行われておりました。
混雑していると待ち時間がさらに長く、ただ検査するためだけに、わざわざクリニックまで出向き待っている方や医療関係者に感染の危険をおわせていたわけです。
かわりに、家で検査ができれば、FaceTime、Zoom、LINEなどで結果を医師に見せて判断を仰ぐため無駄な待ち時間削減、感染拡大防止、医療費削減、医療現場逼迫防止など枚挙に遑がないほど福音ばかりです。
日本の近代化が多少進む可能性があります。コロナ禍ですが、行楽地に遊びに行った、大勢で会食したなど、コロナなど何処吹く風という具合で、あまり気にされていない人の行動が目立っておりました。予想していた通り新型コロナの新規感染者数は11月22日に12万1460人となり、1週間前より1万8580人増えたそうです。重症者数や死亡者数も増加傾向、懸念されているインフルエンザは一部の地域で増加傾向のようです。先が思いやられます。
検査キットが市販されれば、本当に救急車で行かねばならない方が病院の発熱外来を無理なく受診できる余裕が生まれます。キットの市販される日を1日でも早くと待ち焦がれております。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉