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2023.01.10
関節リウマチ
ナノゾラ®︎(関節リウマチ治療薬)が、2022年12月に発売されました。真打ち登場!
ナノゾラ®︎という関節リウマチ治療において、とても重要なTNFα阻害薬 (一本鎖ヒト化抗ヒト TNFαモノクローナル抗体製剤)が、2022 年 12 月に販売されました。ナノゾラ®︎は、既存治療で効果不十分な関節リウマチの方で、過去少なくとも 1 剤の抗リウマチ薬等による治療を行っても効果不十分な場合に使いましょうというものです。1 回 30mg を 4 週間の間隔で皮下注射するので、違和感のない方法です。一般名はオゾラリズマブと言います。ナノゾラ®︎との出会いは、2018年ですから、このたびの販売は、我が子の晴れ舞台のような気持ちです。関節リウマチの治療薬も充実し、まさに群雄割拠の状態ですので、当時、ナノゾラ®︎の新規参入は難しいのではと心配が先だったいう第一印象でした。その構造や効果、安全性などを知るにつれ、関節リウマチ治療に一石を投じる期待の持てる薬剤だと確信しました。異次元緩和云々など、とかく次元という言葉が好きな変な政府のモノマネをして表現すると、ナノゾラ®︎は、今までにない画期的次世代抗体(VHH抗体(ナノボディ®︎))。では何が良いかと言えば吸収効率がよく体内の安定性も良く、しかも炎症を起こしている場所への移行がとても良いということです。速やかに、かつ効果的である薬剤です。他剤と同様に、これから安全性の評価を長期に渡り続けていかなければなりませんが、既存治療でうまくいかない関節リウマチの方には福音であることは間違いないと考えております。薬価が112,476円なので、3割負担とするとひと月約34000円です。歴史のあるエタネルセプトやトシリズマブが、ひと月2万円、バイオシミラーと呼ばれるものもあるため、それらが約15000円とすると、どうしても値段がね・・・という感はあります。ナノゾラ®︎は、新規薬剤のため関節リウマチ治療ガイドラインに記載されるのは先になりますが、TNFαを抑える薬剤であるため分子標的合成疾患修飾性抗リウマチ薬(JAK阻害薬)よりは、先に使用すべき薬剤と考えております。お金の話ばかりで申し訳ないのですが、JAK阻害薬は、ひと月約45000円です。より家計に響く〜と言いたくなります。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 関口直哉