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2023.03.26
内科
シングリックス (Shinglix) 帯状疱疹予防ワクチン
シングリックス(Shingrix)は、帯状疱疹の予防のためのワクチンで、アメリカ合衆国のグラクソ・スミスクライン(GSK)社が開発した組換えサブユニットワクチンと呼ばれるものです。シングリックスは、水痘帯状疱疹ウイルスの表面に存在する糖タンパク質E(gE)を抗原とし、アジュバントシステムAS01Bを添加した組換えサブユニットワクチンです。アジュバント(Adjuvant)とは,補強剤のことで、ワクチンの効果(免疫原性)を増強する目的で使用されるものです。従来の水痘ワクチン(Oka株)が、生ワクチンであるのに対し、生ワクチンではないと言っているわけです。このごちゃごちゃした説明は不要だったかもしれません。すみません。通常、50歳以上の成人に2か月間隔で2回、筋肉内に接種します。忙しく、つい2回目を忘れてしまうこともありますよね。そんなときでも、1回目の接種から6か月後までに2回目の接種を行うことで十分効果が発揮されるので問題ありません。他のワクチンと同時接種することも可能です。効果として、従来の生ワクチンが、8年間有効で、帯状疱疹発病抑制効果が約51%、これに対して、シングリックスは、まだ10年間の公表結果しかないため10年間は有効と言えますが、その帯状疱疹発病予防効果が約97%と大変優秀です。シングリックスの副作用としては、接種部位の腫れや痛み、発熱、頭痛、筋肉痛などが報告されていますが重篤な副作用は、まれです。当院で接種可能です。予約制のため、希望の場合、電話を頂戴したくお願いします。
参考文献:J Infect Dis.2021 Sep 30;224(12 Suppl 2):S429-S442