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2023.03.05
リウマチ内科
朝起きた時に関節がこわばるという朝のこわばりを見逃さないでください。
朝起きた時に関節がこわばるという朝のこわばりを見逃さないでください。
関節がこわばる(朝のこわばり)は、関節を動かそうとしても、うまく曲げたり伸ばしたりできないという症状です。そして、動かしてるうちに、だんだんと動きが改善してきて、しかも朝起きた時によく生じるというものです。ただ、この朝のこわばりが一時間以上も続き、しかも手足の指が腫れて痛いとなると、どうしても関節リウマチ(RA)が原因ではないかと心配してしまいます。この関節リウマチは、関節と心臓、腎臓、肺、消化器官、眼、皮膚、神経系など関節のみならず、関節外も損なわれる慢性的な炎症過程を伴う全身性自己免疫疾患で放置してしまうと関節が破壊され寝たきりとなり寿命が縮んでしまう病気ですので、早期発見早期治療をしていたらと後悔しないように朝のこわばりを見逃さないことが大切です。朝のこわばりを生じさせる病気は、関節リウマチ(RA)だけのものではなく、関節に炎症を引き起こす病気にみられる症状です。関節が腫れて痛むことを関節炎と言いますが、この関節炎を生じるものとしては、非炎症性関節炎(変形性関節症)、有名な痛風も含まれる結晶の沈着による炎症性関節炎(偽痛風、痛風)、黄色ブドウ球菌、淋菌、ライム病、パルボウイルス、エンテロウイルスなどの細菌やウイルス感染によるもの、また自己免疫によるものが原因として挙げられます。自己免疫性リウマチ疾患には、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、強皮症、脊椎関節炎(SPA)、乾癬性関節炎(PsA)、多発性筋炎(PM)なども含まれています。症状が似ていることがあるためで、さまざまな病態を考慮し診断するということが必要不可欠ですので、当院では、リウマチ専門医・リウマチ指導医が、日々診療に当たっております。朝起きた時に関節がこわばるという朝のこわばりを見逃さないようお気軽に相談してください。
文責:浦安せきぐちクリニック(内科・リウマチ内科・皮膚科・泌尿器科)院長 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医 関口直哉
参考文献 Cells 2021, 10, 2857


