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2019.11.02
浦安・新浦安・行徳・葛西・船橋のリウマチ科
感冒(かぜ)に抗生物質?
感冒(かぜ)だから抗生物質をください!このことを聞くと、とても複雑な気持ちになってしまいます。
まず、細菌とウイルスの違いを知ってもらいたい。
学校の授業で細胞分裂というものを習ったと思いますが、細胞分裂をして自分で増えることができるものを生物と言います。
この点、ウイルスは自分では増えることができないため生物ではありません。
抗生物質は、自分で増えることができるものに対しては増殖を抑えることで効果を発揮するから有効ですが、そうでないウイルスには全く歯が立ちません。
感冒(かぜ)は、ほぼウイルスが原因のため抗生物質は無効です。
感冒(かぜ)に抗生物質を使った場合、副作用の頻度が増え、治りも悪くなるというデータがあります。
厚生労働省も抗生物質をみだりに処方することは、耐性菌(抗生物質が効かなくなる)を増やすため避けましょうと注意勧告をしております。
ウイルスは、自分では増殖できないため人間の細胞内に入り込み、その機能を巧妙な手口で利用し増殖します。
その手口も数えきれないほどであり、単純な抗生物質を処方して何の意味があるのかと思います。
では、お手上げかというと、このウイルスに感染された細胞は、色々な手法でウイルスを除去しようと免疫に関係する能力を総動員して抵抗し、特殊なウイルスを除き約1週間はかかりますが自分で感冒(かぜ)は治すことができるのです。


