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2023.08.16
リウマチ内科
【膠原病の検査】リウマトイド因子
とても有名な自己抗体であるリウマトイド因子ですが、関節リウマチの診断には欠かせない血液検査の項目です。昔、一時的に免疫学的寛解という言葉が流行りましたので、
その流行からか今でも数値の経過をみる傾向があります。
関節リウマチの治療が始まり、関節リウマチの症状が良くなってきますが、やはり症状に反してリウマトイド因子の数値が多少変動はしますが劇的には下がってきません。
診察の際に検査結果の説明をさせていただいていると、中には、がっかりされる方がおられ、自分の関節リウマチは全く良くなっていないのかと質問されることがあります。
リウマトイド因子は、関節リウマチの病状が治療により良くなっても下がらない、つまり病気の勢いとは関係のない代表的なものです。
加えて、リウマトイド因子は、シェーグレン症候群(SJS)、強皮症(PSS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性肝炎、肝硬変 などでも陽性となります。
このように自己抗体の中には、病気の勢いと数値が関係していないものもあるということを理解しておく必要があります。